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先日のお知らせでお伝えした通り、今回より5つの具体的な事例を一つずつご紹介いたします。
相続の準備といえば「遺言書」と思い浮かべる方は多いものの、それ以前の段階——つまり、家族で相続の話題をきちんと話し合える環境を整えることが、実は最も重要で、かつ難しい部分です。
当オフィスでは、ご相談者さま方にしっかりと寄り添い、「話し合いの場づくり」のお手伝いをします。
たとえばこんなケースがあります。
「相続」が「争続」に変わる典型的なケース1~5の概略はこちら。
3.【行方不明者・不仲な相続人】協議が成立しないケース
〈事例〉
Gさん(享年80歳)は、自宅とわずかな預貯金を遺して亡くなりました。相続人は3人の子どもたち。長男のHさん、次男のIさん、長女のJさんです。
しかし、問題が生じたのは長男Hさんの所在でした。GさんとHさんは、生前に深刻な親子ゲンカの末に絶縁状態となり、それから10年以上、連絡を絶っていたのです。弟妹たちも「どこに住んでいるのかも、今どうしているのかも分からない」と話します。
遺産分割を進めるには、法定相続人全員による同意が不可欠です。やむなく、IさんとJさんは家庭裁判所に「不在者財産管理人選任の申立て」を行いました。しかし、その審理・選任・手続きには1年以上の時間を要し、費用も数十万円単位で発生しました。
その間、自宅は空き家となり、固定資産税や管理費用、草木の手入れなど、手間と費用ばかりがかさみました。さらに、不仲だった兄の話をするたびに、弟妹の間にも微妙な空気が流れ、「相続はまるで家族の古傷を引き裂く作業」のように感じられたのです。
〈教訓〉
このように、相続人の一部と連絡が取れない、または関係が悪化している場合、相続手続きが大きく滞るリスクがあります。円満だった家庭であっても、長い年月を経るなかで人間関係は変化し、まさかのトラブルに発展することも珍しくありません。
このような事態を避けるため、以下の2つの対策が重要です。
① 遺言公正証書の作成
法定相続では遺言書がない場合、どのような事情があっても「全員の同意」が求められます。しかし、生前に遺言書があれば、基本的にはその内容に沿って財産分配を進めることが可能です。
特に、公正証書遺言であれば形式不備の心配もなく、遺言執行者を指定しておけば、本人亡き後の手続きを第三者が代行して進めることも可能です。相続人間の対立や音信不通に悩まされるリスクを大幅に軽減できます。
② 死後事務委任契約の締結
遺言だけでなく、「死後の実務」に備えるための契約も検討すべきです。
たとえば、「誰が火葬や納骨、役所手続き、銀行解約、不動産管理をするのか」など、亡くなった後に生じる雑多な事務を、あらかじめ信頼できる第三者(行政書士や士業など)に委任しておく契約が「死後事務委任契約」です。
この契約があることで、家族が混乱したり、誰が何をするかで揉めたりすることなく、スムーズな処理が可能になります。とくに「高齢で一人暮らしの方」や「家族と疎遠な方」、「身寄りのない方」にとっては、安心して人生の最終章を迎えるための心強い備えとなります。
まとめ
「うちは兄弟仲もいいし、心配いらない」――そう思っている方にこそ、あらかじめ法的な準備をしておくことを強くおすすめします。
相続が発生するのは突然な場合もあり、その時に相続人全員が連絡を取り合い、円満に話し合えるとは限りません。
遺言や死後事務委任契約といった備えは、「想い」や「関係性」をきちんと形にして残すための手段です。心が通じる今のうちにこそ、冷静に、そして前向きにご検討ください。
話しにくい話題こそ、「第三者」が入る意味があります
相続の準備といえば「遺言書」と思い浮かべる方は多いものの、それ以前の段階——つまり、家族で相続の話題をきちんと話し合える環境を整えることが、実は最も重要で、かつ難しい部分です。
当オフィスでは、ご相談者さま方にしっかりと寄り添い、「話し合いの場づくり」のお手伝いをします。
- 家族だけでは切り出しにくい「相続の話題」に、専門家として第三者の立場から同席
- 相続人となる方々の立場や気持ちを整理しながら、話し合いを前向きに進めるための助言
- 判断能力があるうちに、公正証書遺言・任意後見契約・委任契約などの準備をスムーズに実施
相続や遺言のご相談は、「民亊法務の専門家」と「実務の現場」を知る当オフィスにお任せください。
当オフィスでは、行政からの許認可を受けたうえで、遺言・相続・任意後見契約などの民事法務を中心に、書類作成から公正証書の手配まで一貫して対応しております。
さらに、不動産の売買、建物の解体、不用品処分、遺品整理、不動産の相続手続き、名義変更に関する書類作成のご支援までワンストップでの対応が可能です。
法律だけでなく、現実に必要となる作業までを一括でご相談いただけるため、ご家族の負担を最小限に抑え、安心して将来に備えることができます。
「まだ早いかも」と思った今こそ、最適なタイミングです
相続準備は、「何か起きてから」では間に合わないことが多くあります。
「家族のもめごとを避けたい」「今は元気だけど、いずれに備えたい」
そう感じたときが、準備を始めるベストタイミングです。
「まだ早いかな」「家族にどう切り出せばいいかわからない」「どこに相談したらいいのかわからなかった」という声を私たちはたくさん聞いてきました。
だからこそ、その一歩を一緒に踏み出すための伴走者として、私たちがお役に立てればと思っています。
無料相談から承っております。当オフィスまで、どうぞお気軽にご連絡ください。で、どうぞお気軽にご連絡ください。