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先日のお知らせでお伝えした通り、今回より5つの具体的な事例を一つずつご紹介いたします。
相続の準備といえば「遺言書」と思い浮かべる方は多いものの、それ以前の段階——つまり、家族で相続の話題をきちんと話し合える環境を整えることが、実は最も重要で、かつ難しい部分です。
当オフィスでは、ご相談者さま方にしっかりと寄り添い、「話し合いの場づくり」のお手伝いをします。
たとえばこんなケースがあります。
「相続」が「争続」に変わる典型的なケース1~5の概略はこちら。
1.【子どもがいない夫婦】兄弟姉妹や甥姪が相続人になるケース
〈事例〉
ご主人(ご主人の両親は既に他界)を亡くされたA子さん(78歳)は、長年にわたり夫婦ふたり、静かに穏やかな生活を共にしてきました。お子さんには恵まれませんでしたが、「財産はすべてA子に任せる」というのが、ご主人の生前の変わらぬ意思でした。
ところが、ご主人に兄弟姉妹がおり、その一部はすでに他界していたため、その子ども、つまり甥や姪たちが法定相続人として名乗り出てきました。彼らとは長らく交流もなかったのに、「兄の財産の一部は当然うちの取り分だ」と、一方的に相続分を主張する書面が届きました。
冷淡な態度の甥に対し、A子さんは大きなショックを受けました。穏やかに見えた夫婦の人生が、まるで他人の手によって断ち切られるように感じたのです。そして、家庭裁判所での遺産分割調停に臨むことになりました。
〈教訓〉
A子さんのように子どもがいない夫婦の場合、配偶者のほかに、夫(妻)の兄弟姉妹や甥姪が法定相続人となるケースがあります。しかし、たとえ故人が「すべての財産を配偶者に遺したい」と望んでいたとしても、その意思だけでは法的には十分ではありません。
このような争いを未然に防ぐために、以下の2つの対策が非常に有効です。
① 遺言公正証書の作成
「配偶者に全財産を遺したい」と考えるのであれば、その意思を公正証書による遺言という法的に有効な形で残しておくことが重要です。
遺言者(今回の事例ではご主人)の親は「遺留分権利者」ですが、兄弟姉妹や甥姪は、法律上「遺留分(最低限の取り分)」を持ちません。
そのため、遺言書に「すべての財産を配偶者に相続させる」と記載しておけば、法定相続人である兄弟姉妹や甥姪があとから「取り分がある」と主張しても、法的に争う余地はほとんどなくなります。
逆に、遺言がない場合、遺言者(今回の事例ではご主人)の親がいる場合は配偶者が相続できるのは遺産の3分の2、残り3分の1は遺言者の親に分割、そして遺言者の親がいない場合は配偶者が相続できるのは遺産の4分の3、残り4分の1は遺言者の兄弟姉妹や甥姪に分割されることになります。生前に関係がなかった法定相続人と話し合いや調停を余儀なくされる事態は、精神的な負担も大きく、避けたいものです。
② 任意後見契約の締結
配偶者が高齢である場合、将来的に判断能力が低下する可能性も想定しておく必要があります。そんなときの備えとして有効なのが「任意後見契約」です。
元気なうちに信頼できる人(たとえば子のように親身になってくれる第三者や専門職後見人)と契約を結んでおけば、本人の判断能力が衰えたあとでも、その人が生活や財産管理を法的に支援してくれます。これにより、詐欺的な契約などから身を守ることも可能になります。
話しにくい話題こそ、「第三者」が入る意味があります
相続の準備といえば「遺言書」と思い浮かべる方は多いものの、それ以前の段階——つまり、家族で相続の話題をきちんと話し合える環境を整えることが、実は最も重要で、かつ難しい部分です。
当オフィスでは、ご相談者さま方にしっかりと寄り添い、「話し合いの場づくり」のお手伝いをします。
- 家族だけでは切り出しにくい「相続の話題」に、専門家として第三者の立場から同席
- 相続人となる方々の立場や気持ちを整理しながら、話し合いを前向きに進めるための助言
- 判断能力があるうちに、公正証書遺言・任意後見契約・委任契約などの準備をスムーズに実施
相続や遺言のご相談は、「民亊法務の専門家」と「実務の現場」を知る当オフィスにお任せください。
当オフィスでは、行政からの許認可を受けたうえで、遺言・相続・任意後見契約などの民事法務を中心に、書類作成から公正証書の手配まで一貫して対応しております。
さらに、不動産の売買、建物の解体、不用品処分、遺品整理、不動産の相続手続き、名義変更に関する書類作成のご支援までワンストップでの対応が可能です。
法律だけでなく、現実に必要となる作業までを一括でご相談いただけるため、ご家族の負担を最小限に抑え、安心して将来に備えることができます。
「まだ早いかも」と思った今こそ、最適なタイミングです
相続準備は、「何か起きてから」では間に合わないことが多くあります。
「家族のもめごとを避けたい」「今は元気だけど、いずれに備えたい」
そう感じたときが、準備を始めるベストタイミングです。
「まだ早いかな」「家族にどう切り出せばいいかわからない」「どこに相談したらいいのかわからなかった」という声を私たちはたくさん聞いてきました。
だからこそ、その一歩を一緒に踏み出すための伴走者として、私たちがお役に立てればと思っています。
無料相談から承っております。当オフィスまで、どうぞお気軽にご連絡ください。